iPhoneで画面操作できない状態からバックアップは可能?

iPhoneに何らかの不具合が起こり画面が操作できなくなってしまった場合、気になるのがバックアップです。仮に端末が使えなくても、ケーブルをつなぎPCと接続してデータを保存できるのであれば、万一端末が初期化されたとしても安心です。

今回は、iPhoneの画面操作ができない状態でデータをバックアップするための方法についてご紹介します。

まずは故障の度合いを確認しよう

iPhoneで画面操作ができない状態になった場合、その原因によってはバックアップを取る手順に進むこと自体が危険な場合もあります。そのため、どうしてiPhoneに不具合が生じているのかをしっかりと把握しておく必要があります。

以下に、主だった症状についてご紹介していきます。

電源そのものが点かない

まず、電源ボタンを押してもまったく反応がない場合です。本体に深刻なダメージがあるか、バッテリーに問題があるケースが考えられます。端末本体にケーブルを差して充電ができれば、しばらく充電することでもとの状態に戻る可能性もあります。修理を依頼する前に一度試してみましょう。

電源は点くようだが、画面に反応がない

電源ボタンを押した際にバイブの反応があっても、画面に何の反応もない場合があります。このような場合はタッチパネル・液晶などに問題があることから、基本的には修理を依頼しなければなりません。

ただ、バックアップに直接関係する機能ではありませんから、PCとの同期さえ上手くいけば、適切な操作によってバックアップにこぎつける可能性はあります。

反応はあるが、変なにおいがするなどイレギュラーの反応がある

電源は点き、何とか動くものの、においや強い熱などを感じる場合はすぐに使用を控えましょう。バックアップがとれる可能性はあるかもしれませんが、バッテリーに傷がついていると発火や爆発のおそれがあります。操作してみて安全面で不安を感じるようなことがあれば、潔く修理を依頼した方が賢明です。

充電できない

充電を試みても充電ランプが点かず、本体自体の反応もない場合はどうでしょうか。このケースは、内部全体に問題があるのかバッテリーに問題があるのか、個人で判断するのが難しいかもしれません。

自分でケースをいじるとAppleCare+など保証の対象外となってしまいますから、こちらもまずは修理を依頼した方が良いでしょう。仮にバッテリーが問題だったとしても、バッテリー自体がなければどうしようもありません。

水没してしまった

iPhoneを水没させてしまった場合は、水没直後に使用するのは控えましょう。もしも本体内部に水が入っていると、電源を入れた段階で内部の基盤がショートしてしまう可能性もあります。電源を入れるまでは故障していなかったiPhoneが、電源を入れることによって故障してしまうというのは悔やむにも悔やみきれない話です。

もし、水没した段階で電源が入っているようであれば、即座に電源をOFFにします。そしてカバーを外してから本体、SIMカードを乾いた布で拭き取ります。あとは密閉できるタイプの袋を用意して乾燥剤とiPhoneを一緒に入れておき、1日以上放置してから電源を入れてみましょう。

それでも反応がないようであれば、修理を依頼したり復元ツールを使ってみたりするのがよいでしょう。

電源が点かない場合の対処法

いくつか不具合が見られるケースの中で、もっとも問題なのはiPhoneがウンともスンとも言わない状態に遭遇したケースです。とはいえ対処方法はいくつか存在しますから、修理を依頼する前に試してみてください。

復元ツールを使う

壊れてしまったiPhoneからデータを取り出す際、【PhoneRescue for iOS】という復元ツールがあります。iOSを使っている端末であれば使用でき、壊れた端末内のデータを読み込んでデータを復元することができるツールです。画面が壊れてボタン操作が不能でも、USBケーブルで接続さえできればデータの復元が可能です。

iPhone内にある28種類のデータを直接パソコンに取り出すことができ、写真・音楽・連絡先・メッセージなどの情報を洗い出せます。実際にデータの復元を開始する前に、iPhoneの中にどのようなデータがあるのかをプレビューで把握できますから、必要なデータだけを抽出することが可能です。

【PhoneRescue for iOS】有料版

こちらには無料版と有料版があります。有料版でなければ復元はできませんが、無料版ではプレビュー画面を見られますから、まずは復元できるデータがあるかどうか調べてみるという方法もあります。ちなみに、有料版をダウンロード後に行う一連の手順は、以下の通りです。

  1. ①PhoneRescue for iOSを起動する
  2. ②iPhoneをUSBケーブルを通じてパソコンに接続し、「iOSデバイスからリカバリー」のアイコンを選択する
  3. ③復元したいデータのアイコンが表示されるので、種類を選択したら「OK」をクリックする
  4. ④復元可能なデータが表示されるため、取り出したいデータを選択したら、画面の右端にあるアイコンをクリックする
  5. ⑤データがパソコンにフォルダ分けされて取り込まれたのを確認して、終了

復元ツール、PhoneRescue for iOSのデメリット

このように、電源が入らない・反応がない端末であってもデータが取り込めるというメリットはありますが、気になる点もあります。それは、このツールは「購入者のレビューが著しく低い」という点です。

レビューを記載している多くのサイトでは、同様の手順で復旧できた旨が記載されていますが、ダウンロードサイトの評価を見ると酷評されているところもあり、手放しでは喜べない可能性があります。環境や端末によって成功率が低いなどのネックもあるのかもしれませんが、ほとんど使い物にならないデータしか残らないとの声も。

もし機能に問題があれば60日間返金可能とされていますが、メーカー側は基本的に返金に応じていないという口コミも散見されます。よって、どうしても早急に復旧したいデータがある場合にのみ、悪い結果を覚悟して選択すべき方法と言えるかもしれません。

一度充電してみる

拍子抜けする方法ではありますが、端末に反応がないようであれば一度充電してみるという方法もあります。直接の原因が高いところから落としたなどの理由であっても、実のところ本当の原因はバッテリーにあったというケースも少なくありません。

比較的新しいiOSであれば、バッテリーの電力が落ち込むと一時的に電力をセーブするOSが内蔵されていますが、古いタイプのiOSだと、電力が20%を切った時点で機能を維持できずに電源がOFFになるケースもあるのです。

それに気付かないまま端末を落とすなどして、動作が確認できなかかったことから障害による故障と勘違いしてしまうのは十分考えられます。充電を開始してランプが正常に点くようであれば、十分に充電された段階で再起動してみましょう。

電源は点くが、タッチパネルの操作ができない場合の対処法

電源は無事に点いたのを確認しつつもタッチパネルに反応がない場合は、以下のような対処法があります。

iTunesを使う

単純に画面が表示されないだけでタッチパネル反応は問題ない状況だとしたら、その端末には救いがあるかもしれません。具体的に言うと、iTunesを使うことでバックアップが取れる可能性が残っているのです。

電源をONにした際、普段と同じような流れで起動音などが流れているようであればパスコードを入力してみましょう。仮に間違えたとしても、その場合は数字を間違えた時点でバイブの反応がありますから、入力画面が内部で生きているかどうかの判別材料になります。

特にイレギュラー的な反応がなくパスコードが入力できたら、iPhoneとPCをケーブルで接続します。本来であれば「このコンピュータを信頼しますか?」という表示が画面中央に出るはずなので、やや左下に位置するの「信頼」という項目をタッチします。これが成功していれば、iTunesに反応があります。アクセス許可のポップアップが出てきますから、「続ける」を選択しましょう。あとは、画面の内容に従って手続きを進めるだけです。

「iPhoneを使用できません」という表示が出た場合は

パスコードを忘れて何度も入力していると、パスコードの入力ができなくなってしまうことがあります。11回の入力失敗で完全に端末が初期化され、なおかつiPhoneが使用できない状態になってしまうのです。それ以外にも諸々の理由で表示が発生する可能性があります。

このような場合は、修理店やAppleに頼んでも有効な対処法は得られないことが多いようです。もちろん、バックアップもできませんから新しい端末を購入した方が賢明です。

意外かもしれませんが、Appleではパスコードのロックについては対応してくれません。技術の流出を防ぐためとも言われていますが、詳細は不明です。アメリカ政府の働きかけにさえ応じなかったともささやかれており、そのスタンスは徹底しています。万一のことを考え、個人情報はアナログな手段でも記録しておいた方がよいでしょう。

参考:Source:iPhoneHacks, iphonemania.jp